長時間の正座で足が痺れているにも関わらず、緊張でそんな感覚は最初からない。
私の前には胡座をかき、後ろ手をついてリラックスしている友基が居る。
家主の私が正座をして、お客さんのはずの友基が胡座っておかしくない?
頭の中でそんな疑問をぶつけると、友基が動き出す。
「話って何?この前茜音に会いに行った時の話なんだよね?」
「うん…。そうだよ」
「全然話してくんないから」
「うん…。話す」
頭がまわってない。
緊張で頭が真っ白…。というわけではないけど、切り出し方に迷う。
「俺は、今の茜音の彼氏、苦手だったな。俺の方が茜音のこと知ってるっていう顔してて、好かん」
始まった。
友基の自分勝手な査定。



