「その彼氏なんかより、俺ともう一回付き合ってよ。楽しかったじゃん」
「私と居ても、楽しくなかったって言ってたよね?友達の方が気楽だったって」
「じゃあ友達から始めれば良いよ」
「そういう問題じゃないから…。ねぇ、その手離して!」
挑発するだけかもしれないけど、声を荒げてみた。
カバンを掴む手に力が入り、しゃがみ込んだ。
自分を偽って友基と居た時の、嫌な過去が蘇る。
重たいクリームを食べて家で吐いて、足元がスースーして落ち着かないスカートを履いて。
もう偽って過ごしたくない。
自分らしく居られる、想いを素直に伝えられる相手が居るから。



