そろそろ律くん、仕事終わったかな。
雑誌の取材って何時間も続くものなのかな。
そんなことを考えながら味噌汁を一口飲んであさりを貝から外し、口に二個入れて咀嚼すると、抜け切れていなかった砂がガジっと音を立てた。
歯に砂が入り込んで、寒気がする。
「ごめん、まだ砂噛んどったんやな。一日かけて吐かせたはずやのに」
〝砂を完全に取る、良い方法はないんかいな〟
手元の仕込みを止めて、腕を組み始めた大将。
「そんな真剣に考えなくても、あさりの砂なんて抜け切らないですよ」
「そうやろか…」
もう一口味噌汁を飲むと、机に置いた携帯が震えた。



