これは現実か?
本当に茜音ちゃんの声なら、茜音ちゃんが言ったのなら…。
深呼吸を続けたけど段々と記憶がはっきりしてきて、とうとう覚醒してしまった。
どのくらい寝たふりを続けているだろうか。
このまま朝になるのか、結局眠れてないじゃないか。
一人、頭の中で騒がしく自問自答。
すると、背中に仄かな温かみを感じた。
茜音ちゃんの手だ。
背中を向けてしまって、寂しくさせてしまっただろうか。
今起きたふりをして、もう一度抱きしめたい。
でもそれで余計に目が冴えてしまったら、茜音ちゃんも起こしてしまうな。
ネチネチとまた自問自答している間に、茜音ちゃんの手が離れ、同じように背中を向けられてしまった。
こんなに寂しいんだな。
顔が見えないって、こんなにもどかしいんだ。
寝息を立て始めた茜音ちゃんの背中に手を置いて、〝俺も、好き〟と囁いた。
結局俺が我慢できずに、後ろから茜音ちゃんを抱きしめて、茜音ちゃんのうなじに頬ずりし、ようやく夢の中に行けた。



