「俺じゃ頼りないね…」
「今は頼りなくて良いです。今は、頼ってください。それで元気になれるなら、たくさん頼ってほしいです」
「…ありがとう」
背中を何度か軽くゆっくり、諭すように叩く。
律くんは泣いていて、気づかれないようにと願っているけど、口から心臓が出そうなほどドキドキしている。
無駄のない筋肉質な体に、私の心臓の強い鼓動が伝わってしまいそうで。
律くんと密着しているからドキドキしているのが理由の大半だけど、この家まで私たちを尾行してきた人が居ないか、不安のドキドキもほんの少しある。
でも今は、律くんに半年ぶりに会えたことを、素直に喜ぼう。
抱きしめられてドキドキして、この家に持ち込むのはそんな単純な感情だけで良い。



