今はまだトワイライトは見れないけど、モコモコと集まった羊雲も可愛い。
こういう何でもない時間も、律くんといつか共有したい。
私はこんな空が好きで、この季節のこの時間の空がオススメですなんて、押し付けるぐらい熱弁して、律くんはどんな空が好きですかって。
そんな話をしながら手を繋いで、商店街を散歩するだけでも良い。
そういう時間が、案外幸せだったりする。
人がたくさん行き交う中を、間を縫うように歩き出すと、ポケットの中の携帯が震えた。
でも世間の休みと重なって賑わう商店街の中で、それに気づけなかった。
「あら茜音ちゃん!最近見なかったわね。元気にしてる?」
「茜音ちゃん!またご飯でも食べに来なさい!」



