律くんの中で、謝罪ばかりの生活はいつまで続くんだろう。
テレビでも取り上げられなくなってきて、別のゴシップに興味が向いたようだし、そろそろ会いたくなってきた。
律くん、参ってないかな。
大丈夫と口では言っていても、大将から聞いた言葉だから。
大将を信じてないわけじゃないけど、やっぱり律くんから聞きたい。
きっと迷惑だよなと思いながら、律くんの電話番号を押す直前で、我に返った。
「ダメだ。今かけたら、どうなるか…」
もう大丈夫だろうと、気を抜いた時が一番危ないと聞くし、今はやめておこう。
画面を暗くして、ズボンのポケットにしまい、財布も持たずに家を出た。



