そんなことないと言おうと思ったけど、大将からの電話を知らない電話番号だと疑っていた、さっきの自分を振り返ると、大いに可能性はある。
「律と直接連絡を取らずに、俺に連絡くれるか?律から伝言あったら、俺から伝えるし。どうやろ?」
会えなくなる期間は分からない。
もしかしたら、このまま会えなくなるかもしれない。
そんな想像はしたくないけど、私が連絡を取ったことで、律くんに迷惑をかけることはしたくない。
「分かりました。大将が大変になりますけど、良いんですか?」
「律の頼みや。断らん」
「…私にできることがあるなら、何でもやります」
もうすぐ昼休憩が終わる。
まともに食べられなかったご飯は、夜ご飯にでもまわすとして、大将からの電話を切った今、私の中で不安が少しだけ大きくなった。



