SNSでも、律くんの担降り宣言をしている人もチラホラ出てきて、完全に律くんが悪者になりつつある。
どうにかして止めたいけど…。
お昼休憩も休憩にならず、ご飯が喉に詰まりそうになっていると、電話が鳴った。
見覚えのない番号。
誰だろう。
いつもなら、非通知以外は何も考えずに出るのに、今日に限っては躊躇った。
私が律くんの彼女だと気づいたどこかの記者が、私の番号を突き止めたのかも。
そんな酷い妄想が頭に浮かんで、出れなかった。
何度か響いた電話が切れるも、すぐにまた鳴り出す。
これ、出るまで鳴り続けるの?
一度出てみて迷惑な電話だったら、思いっ切り論破してやろう。
そう思って、今度は出てみた。
「やっと出た…。ども、久遠やけど」
穏やかな口調の関西弁。
久遠の大将だった。



