「でも今は浮ついてられへんのちゃうか」
「それは分かってる」
険しい表情に戻ると、目の前に出てきたのはポトフ。
俺の体調を分かってくれている、野菜多めのポトポトスープ。
「律自身のことも解決せなあかんし、茜音ちゃんも守らなあかん。一人では背負いきれんよ」
「うん…」
大将に言われたこと全部、分かってる。
頭では分かってるけど、行動が伴っていかない。
自分のことをどうにかしないといけないけど、茜音ちゃんに火花が向かう可能性があるのも分かっていたから、どちらか優先しないと自分が潰れる。
茜音ちゃんを守ると言っても、一般人だし茜音ちゃんの生活があるから、匿うわけにもいかない。



