不意を突かれ、私の腕を掴んでいた手が頭に乗り、軽く髪を乱された。 〝好き〟〝彼女〟 目がしっかり合った状態で言われたから、尚更嬉しくて恥ずかしくて、茹で上がってしまいそうなほど赤く染まった顔を隠すように、乱れた髪を必死に直した。 「大将、また来ます。今度はご飯食べに」 「おう。待ってるでー」 律くんをまともに見れずに扉を開けて、外に出た。 昼間は日が照って温もりがあるけど、日が沈むとヒンヤリがまだ残る今の時期。 顔の火照りを冷やすには、丁度良かった。