「元気かは分かんないな。あることないこと記事にされて、多方向から叩かれてるんだと思う。今は見ないようにしてるけど、何とか保ててるって感じかな」
「大将も言ってましたけど、あの報道は嘘だって私も思います。律くんがあんなこと、するはずない」
自分に言い聞かせているわけじゃなくて、自信を持って嘘だと言い切れる。
百歩譲って、大将ならあり得るかもしれない。
いつも自分から話しかけて笑っているし、不審がられても仕方ないかも。
でも律くんは、八方美人じゃない。
「ちゃんと話すよ。何でこうなったのか、だいたい予想はついてる」
正座を続けたままの律くんに、私も倣って座布団の上で正座をした。



