律くん、会いたいとか声聞きたいとか思ってくれるんだ。
普段はファンを喜ばせるような、甘い言葉で魅了しているけど、今は律くんが甘えている声のトーンで、聞き慣れない言葉に声には出さず、ビーズクッションが破れてしまいそうになるほど、悶えた。
〝長谷さん、もうすぐ出番です。〟
舞台を見に行った時に、律くんを呼びに来た人と同じ声が遠くで聞こえる。
「もう呼ばれちゃった」
「あ、じゃあ行かなきゃですね」
「うん…」
モチベーションが上がらないメンバーの元へ戻らないといけないのは億劫なのが、声色で分かる。
「律くん?」
「仕事だからね。嫌なんて言ってられない」
余程戻りたくない理由があるんだろうけど、じぶんに言い聞かせるあなたに、私は背中を押すしかできない。



