主演だけあって、セリフの量も多いんだろう。
カメラを構えられると、切り替えて喉を引き締めるから掠れは気にならないんだろうけど、オフの律くんは、酒やけしたおじさんみたい。
やっと息抜きができる場所で、余計な心配はさせたくない。
それでも、言いたいことはちゃんと言い合うって約束したし。
寂しかったのは確かで、語尾は萎んでしまったけど、伝えてみた。
二呼吸分返事がなく、言い間違えたのかもしれないと撤回しようとすると、ため息混じりに〝俺も〟と聞こえた。
「ん?」
「もう少ししたら、またスタジオに行かなきゃならないんだけど、今回のメンバーがモチベーション上がらなくて。少しだけでも茜音ちゃんの声が聞きたいなって思ってメールしたら、すぐ返事来たからすごい嬉しかった」
「私の声、聞きたいって思ってくれて嬉しいです」
「本当は会いたいけどね。でも声聞けただけでも、元気出る」



