〝ピロン〟
また携帯が震えた。もう友基なら開けない。
そう決めて通知画面を見ると、今度こそ律くんからの連絡だった。
〝今電話しても良いかな?〟
忙しい合間をぬって、連絡をしてきてくれたことが嬉しい。
気分が落ち込んでいたから、尚更。
もしかして友基と連絡を取ったことがバレたかと勘繰ったけど、そんなタイムリーに心を読まれることはないだろう。
〝はい〟
そう返信すると、すぐに電話が来た。
「もしもしっ」
「早っ!電話出るの、早いね」
「そうですか?」
「俺の声聞くの久しぶりだから、嬉しくなっちゃった?」
「…そう、かも」
数週間ぶりに耳に響く、アイドルのあなたとは違う、オーラがなく掠れた声。



