私の首元に顔を埋めて、わざとくすぐったがらせて、下の名前を強引に呼ばせようとしている。
いつか言われるだろうと思っていた。
長谷 律は会った時から私を下の名前で呼んでいたけど、私は苗字呼びで呼び方を変えるタイミングも分からなかったし。
律さん?律くん?はたまた、律?
いやいや、そんな図々しいことできない。
一人悩む間にも、早く名前を呼べと言わんばかりに私の首元を鼻先が行き来していて、くすぐったい。
「あ、あの…」
「ん?」
抱きしめられたまま、会話が進む。
あぁ。これ名前呼ばないと、絶対に離してもらえない。



