「何か…、癒されるね」
「ずっと見てられますよね」
空はまだ明るくて、活動をするには今が最適な時間。
でも、私はキャンプ中に激しめなアクティビティはしないと決めている。
頭からぐるぐると抜け出せない考えを一旦捨て、ただ揺れる炎を見つめるだけ。
日常の息苦しさも未来への漠然とした不安も深いため息と一緒に吐き出して、炎にかき消してもらう。
左隣を見ると、頬杖をついて一点を見つめていた。
「芸能人って…、テレビで見たら輝いてて羨ましいと思うけど、私たちでは想像できないものと戦ってるんですよね、きっと」
感情の読めない視線が炎から私に移ると、頭が左にコテンと傾いた。



