リリーの「アホか!」はおばあちゃん譲りなのね……、とトレニアは呟いた。


「トレニア、どういうことだい」

うっかり、矛先はトレニアに向かった。

「リリーが夜中出歩いてたから、なんかあるのかなーって」
「どうして連れて戻らなかったんだい」
「心配だったんです。ちょっとならいいかなって思って。ねー?」
「ねー」

ため息をひとつつくと、おばあちゃんは黒百合を指さして言った。