「私の主人はローズだけど、性格が合わなくてねー」
「……うん、ちょっとわかる」
「ローズは気は強いし、性格は悪いしでどうにもならない女でねえ。ノアも可哀想に」

あんたに言われたくないよ、と思ったけど、黙ってた。



「私はローズと契約を切りたかったから、ローズを人柱にしなさいって言ったんだけどね? ノアがイヤだって言うもんだから」
「……」
「だから、じゃあアンタが国を守りなさいって言ったの」

ケロリと黒百合は言う。


まるで、チェスの駒を動かすみたいに。