ご先祖様の力を借りて。

「ガァァアア!!」


妖は悲鳴をあげて、少しふらつく。

私はそこを見逃さずに近づき、風の刃で攻撃する。


『美霊、後ろ!』

『危ないわっ!』


ご先祖様たちの声に振り向くと、すぐそばに別の妖の攻撃が迫っていた。

私は避けられないと判断し、風の膜を二重に作り、防御する。

しかし、ギリギリで海晴が間に入り、攻撃を弾く。


「……すまない、攻撃がこちらにきてしまった」

「大丈夫、問題ない」


私がそう言うと、海晴は安心したような表情を浮かべ、元の場所へ戻っていった。

……別に守らなくても、風の膜で防御していたのに。

攻撃を弾いた後、よくみると腕が赤くなっていた。

怪我をするくらいなら、守らなくてもよかった。

そう少し悩んだが、まだ妖を倒していなかったとはっとする。

妖の方向を見ると、倒れかけていた。

苦しませる趣味はないので、風の刃で首を落とす。

妖がいた場所には、黒い欠片が残った。