ご先祖様の力を借りて。

「ガァアアアア!!!」


背中に風の刃を二つも受けて、妖は悲鳴を上げる。

……これなら効きそう。

でも、狙うなら首だ。

私はもう一度、風の刃を向かわせる。

今度はさっきの倍、八方向だ。

首を狙っているので、ほぼ倒せたと思う。

私は爪を伸ばす妖を少し警戒しながら、もう一体の妖を探す。

……いない?

私は目を凝らしながら探す。

途中で爪を伸ばす妖が倒れたけど、もう一体の妖を探す方が大切だ。

全身に風の膜を張りながら、集中する。


『美霊、上だよ!』

「ガァァア!!」


天見様の声に上を向いた途端、妖が降ってくる。

私は驚きながらも、風の膜で妖を弾く。

……予想外の攻撃が多い、心を読む系の特殊な力?

なら強さはそんなにないはず……

そう考えて、風の刃を五方向から向かわせる。

妖は少しかすりながらも、全部の刃を避けた。

……頭も少しいいみたいだ。

落ち着いて対処された……さっき使ったからかな。

私はそう考えて、妖に近づきながら風の槍を投げる。

これは海晴の術を参考に作った、新しい術の使い方だ。

今回初めて使ったので、この妖も見たことはないはずだ。

予想通り、妖は少し戸惑ったように爪で弾こうとする。

しかし、弾ききれずに当たってしまう。