ご先祖様の力を借りて。

「グルル……!」


……危ないね、少し忘れかけていた。

二体いることを忘れないようにしないと……攻撃が成功して、気が緩んでたみたいだ。

私はもう一度気を引き締めて、妖と向き合う。

そうしているうちに、爪を伸ばす妖の傷も少し再生したようだ。

……仕切り直しということだね、上等だ。

私はもう一度爪を伸ばす妖に近づき、風の刃を向かわせる。

今度は三つだ。

妖は爪で弾こうとするけど、弾ききれなかったのか少し傷を負う。

だが少しなので、気にせず攻撃してくる。

振り下ろし……じゃない?

妖は爪を振り下ろした勢いのまま、横に振る。

私は風の膜で防御していたので怪我はないが、避けていたら当たっていたと思う。

……なるほど、学習してきたか。

横に振られると、風の刃も当てにくい……爪を伸ばすだけだと特殊な力として弱いし、頭も少し良くなってるのかな?

考えながら、風の刃を四方向から向かわせる。

妖は少し迷ったような動きをして、爪で前の二方向からきた攻撃を弾く。