ご先祖様の力を借りて。

『あれじゃないかしら〜?』


お母さんが指を指した方向を見てみると、そこには十体の妖がいた。

私より小さい弱い妖で、すぐに倒せそうだ。


「……右の五体を頼む」

「わかった」


海晴も同じように考えたのか、小声で伝えてくる。

私も小声で返事をすると、海晴は物陰から飛び出した。

私も続いて飛び出し、右にいる妖を攻撃する。

お母さんが憑依している時によく使う攻撃は、風の刃だ。

見えないし、とても鋭い。

風の刃を受けた妖はすぐに倒れる。

他の妖は仲間が急に倒れて混乱していたので、風の刃を向かわせる。

きっと、何がおきたのかわからないまま倒れていっただろう。

追加で三体ほど倒したところで、最後の一体がハッとしたように攻撃してくる。

しかし、風の刃が当たる方が早かったので、攻撃すらできずに倒された。

少し息をついてから海晴の方をみると、ちょうど終わったみたいだった。

今回の妖は弱いので、黒い欠片は落ちていない。