ご先祖様の力を借りて。

「ふぅ……」


いったん深呼吸して、二体が重なる瞬間を見つけて……放つ。

よし、二体同時に倒せた。

残りの二体は仲間が急に倒れて戸惑ってる。

今のうちに……あれ、人が近づいてる。

危ないのに……嫌な感じがしないのかな?

妖はいちおう一般人にもうっすら嫌な感じに感じるはずなんだけど……

あ、襲われそうになってる。

弓を構えて……あれ、なんかあの人、氷を作って妖を倒してる。

……あれって私と同じ術だよね?

ご先祖様にほかに術が使える人がいるって聞いたことがあるけど、あの人がそうなのかな。

……なんかこっち見てない?

え、なんか走ってきた……

思わず逃げる。

……いや、特に理由はないけど、人と会わないって思ってたから。

あの人足早い……追いつかれそうになってるんだけど。

……仕方ない、止まるか。

そう考えて、足を止める。

すると、追いかけてきた人も止まった。