ご先祖様の力を借りて。

「注目! 今から、発表を始めます! できるだけ、席に座って聞いてください!」


私が諦めて前を向いた時、ちょうど誰かが大きな声で言った。

声がした方を見ると、数人の大人がいた。

少しざわざわしていた食堂はすぐに静まり返って、声のした方向を見る。

……あ、海晴もいる。

今日の学校にいなかったのは、発表の準備をしていたからかな。

そう考えていると、一人の大人が話し始めた。


「今日の発表は、最近増えている妖についてだ。流石に多すぎると、五家が協力して調べた」


……やっぱり妖についてだった。

それにしても、なかなか会わない五家が協力するなんて、結構大事だなぁ。


「調査の結果、特に中央の妖が増えており、そこから離れるほど増えた妖の量は減っていった。そこで中央を詳しく調べて、原因を探ろうとした」


中央……つまり、もともと私が住んでいた場所。

確かに私がいなくなったら増えるだろうなとは思っていたけど、そんなに増えているの?

私が少し呆然としている間に、話は進んでいく。