ご先祖様の力を借りて。

『い〜な〜……』

『美味しそうねぇ……』

『食べたい』


美味しそうにチョコレートを食べる私を見て、ご先祖様たちがつぶやく。

私はそんなご先祖様たちをできる限り無視しながら、お菓子を楽しむ。

私が気にしてもどうにもできないので、気にしないほうがいい。

そして三枚目のクッキーを口に入れた時、ふと思い出す。


「……そういえば宿題をしていませんね」

『あ、そうだね』

『もう始めますか?』

「そうしましょう」


私は置いた荷物に近づき、宿題を取り出す。

……ちょっと多いかもしれない。

でも時間はたくさんあるし、なんとか終わりそう。


「わからないところがあったら、教えてもらってもいいですか?」

『えぇ、教えるわ』

『わからないところがあったら、教えてね〜』

「はい、お願いします」


私はご先祖様たちにお願いして、宿題を机に広げる。

……結構簡単そう。

私はほっとしながら、問題を解きはじめた。



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