ご先祖様の力を借りて。

少し照れ臭くて、下を向きながらお礼を言う。

面と向かって褒められることなんてご先祖様たち以外にされたことなかったから、慣れない。

でも成績も上がるみたいだし、良かった。

今倒した妖はお仕事にならないだろうし、お金はもらえないと思う。

意味がないってなると少し勿体無いって思っちゃうし。


「あ、今日はもう休んでいいぞー。術の限界はまた今度だ」

「「「はーい」」」


先生が思い出したように、喜んでいるクラスの人たちに言う。

クラスの人たちも返事をして、荷物を片付けに動きだす。

わたしも片付けをしに、体育館の角に向かおうとする。


「あ、神影さん」

「……なんですか?」


しかし、クラスの人に呼ばれて振り返る。

そこには私が結界を作って守った人がいて、少し目線を逸らしながらお礼を言ってきた。


「あの……結界、ありがと。助かった」

「別に……怪我がなくて良かった」

「それだけだから! ありがとっ!」