ご先祖様の力を借りて。

「……倒したかな?」

「倒したよー!」


クラスの人たちはそう言い合って、喜んでいる。

友達の怪我がないか確認したり、途中で攻撃されそうになった人を心配したりなど、それぞれが自由に過ごしだす。

そんなクラスの人たちに、先生が話しかけてくる。


「お疲れー、途中危なかったなー」

「そうですよー」

「悪い悪い、でもちゃんと助けようとはしていたぞ?」


そういった先生に、クラスの人たちは疑問の目をむける。

先生は困ったふうに笑うと、自分の術の説明をした。


「俺の術は危険察知系、範囲が広いからお前らのピンチも大丈夫だってわかってた」

「「「へー」」」


自慢げにされて、クラスの人たちは興味がなくなったようにもとの方向へ向く。

先生はそんな人たちを見て、私の方向へ近づいてきた。

首を軽く傾げていると、先生は今日のことを褒めてくれた。


「お前のおかげで早めに妖の襲撃に気づけたし、最後の守りとかも良かったぞ。判断が良かった……ってことで、成績上げておくな」

「……ありがとう、ございます」