「オムレツ定食ください」

「はい、こちらでよろしいですか?」

「いいです」


いつもの人にお盆を受け取って、近くに人がいない席を探す。

……あった、あそこにしよう。

席に向かい、座る。

今日の夜ご飯はオムレツ定食で、ここにきて食べたご飯の中で五番目くらいに好きな食べ物だ。

まだ食べたことのない食べ物もあるけど、今はこれが好き。

……明日は唐揚げっていうものがあるみたいだし、それを食べてみようかな。

そう考えながら、オムレツを頬張る。

とても美味しくて、頬が緩む。

一緒についていたコーンスープも飲んで、ほぅ、と息をつく。

優しい味で、甘くて美味しい。

サラダも食べて、もう一度コーンスープを飲む。

オムレツを食べて、サラダを食べて、コーンスープを飲んで……繰り返して食べていると、無くなってしまった。

惜しみながら、お盆にお皿を乗せて運ぶ。

お盆を片付け終わって、部屋に戻る。

食堂に向かう時の出来事を忘れてご機嫌になるくらい、今日のご飯も美味しかった。

部屋ではご先祖様たちがくつろいでいて、私が戻ると天見様がすぐに駆け寄ってきた。