……それを早く言ってほしかった。

でも愛摛は私に気付いてない……たぶん髪と目の色が違うからだと思う。

そんなに興味を持ってなかったのかって少し思うけど、絡んでこなくなるからいいことなのかな。

普通科と特別科は離れているし、会うことも少ない。

それなら気づかないのも仕方ないと思うし……

そう考えながら、ふと時計を見る。


「もう六時半ですか……夜ご飯を食べに行ってきますね。待っててもいいですが、どうしますか？」

『待ってるよ〜。見てると食べたくなるし』

『そうね、食べてるところを見なければまだ我慢できるわ』

「わかりました。では、行ってきますね」


ご先祖様たちに挨拶して、食堂へ向かう。

その途中、二人の女の人が楽しそうに話をしながら歩いているのをみて、少し悲しくなる。

……友達作るのって、意外と難しい。

話しかけても会話は続かないし、相手もすぐに別の人と話し始める。

ご先祖様たちも今の流行りはわからないし、私がわかることなんて勉強のことくらいしかない。

だからつまらないのはわかるけど、話しかけると相手も気まずそうになるから、話しかける勇気も無くなってしまった。

はぁ、と心の中でため息をつきながら、食堂で料理を注文する。