水真家の屋敷に帰ってきた。

知り合いが多いからか、自己紹介はとても短かった。

それで、今日も妖を退治しに行くんだけど……海晴も一緒に行くことになってるんだよね。

最近妖が強くなってきてるから、二人一組でしか妖を退治しちゃいけないことになっている。

相手は誰でもいいみたいなんだけど、二人で組むことになった。

私も海晴も、相手がいなかったから。


『今日は誰を憑依させる?』

「そうですね……守羽様、お願いします」

『私ですか? よろしくお願いします』


守羽様にお願いして、憑依させる。

ちなみに学園では、誰も憑依させてなかった。

学園の中では、できる限り術を使っちゃいけないという校則があって、幻影も使ってなかった。

たぶん、この白髪も避けられる原因なんだと思う。

自分の髪をつかみながら少し落ち込んでいると、後ろから海晴の声が聞こえた。


「遅くなった」

「別にいい」

「そうか……いくぞ」

「わかった」