「じゃ、配っていくぞー」

「「「はーい」」」


前から回ってきた教科書を、パラパラとめくってみる。

うん、ご先祖様達に習ったところだ。

よかった……遅れてなくて。

私は安心して、教科書を閉じる。


「名前も書いとけよー」


あ、そっか。

私ははっとして、筆箱からペンを取り出す。

妖を退治したお金で買った、大事なペンだ。

入学前に文房具を持ってないことに気が付いて、急いでご先祖様たちと買いに行った。

妖を退治したからお金はいっぱいあったし、好きなものを選べた。

自分で買ったものだし、大事にしようと思ってる。

私はそんな大事なペンで、教科書に名前を書いていく。


「じゃー、配り終わったんで、終わり。二限始まったら席座っとけよー」

「「「はーい」」」