先生は筋肉がすごそうな生徒たちを連れて、教室を出て行った。

とたんに、静かにしていたクラスの人たちがしゃべりだした。

……友達、海晴は友達かな?

別に私に話しかけてくれてもいいのに、近くの人は他の人と話してるし……

しかもこっちを気にしているようにちらちらとみてくる。

……話しかけてくれてもいいのに。

自分から話しかける勇気はない。

だって私、小さいころからご先祖様達としか話してないから……なにを話せばいいのかわからない。

愛璃は勝手にしゃべってただけだし、話してるには入らない。

なんとなく居心地悪く感じていると、教室の扉が開いて先生とクラスの人たちが戻ってきた。

手にはたくさんの重そうな教科書を持っている。


「おっも……」

「疲れた……」


全員そう呟いて、死にそうな顔をしている。

……ちょっと心配になるくらいだけど、大丈夫かな。

私が心配しているうちに、教科書を置き終わった人から席に戻って重かった~、と愚痴を言い始めた。

愚痴を言える元気さがあるなら大丈夫そう、と安心する。