「どうぞ」

「失礼する。書き終えたか? 終わったならもらうが」

「終わった」


私はそう言って、手もとの紙を海晴に渡す。

海晴は紙を受け取り、内容を見る。


「……空欄はなんだ?」

「書けない」


答えると、ため息をつかれる。

……書けないから仕方ない。

だって書けないから。


「……空欄は埋めておく」

「わかった」


私がうなずくと、海晴は部屋から出て行った。

それを見送った私に、天見様が話しかけてくる。


『学校楽しみだね、美霊! わくわくしてきた!』

『友達、できるかも』

「そうですね、楽しみです」