『あ、保護者だって』

「保護者ですか……とりあえず空欄にしておきましょう」


私の父が、保護者になってくれるとは思えない。

母は亡くなっているし……継母は、愛璃と一緒に私に嫌がらせをしているし。

あ、優幻様、天見様、実弓様、円力華様、守羽様の中に私のお母さんはいない。

なぜか現世には五人までしかこれないらしく、ほかのご先祖様は幽世というところにいるらしい。

お母さんもそこにいる。

たまに入れ替わったりして、お母さんが来ることもある。

……でもさすがに、幽霊を保護者にはできないよね。

もう亡くなったことになってるし……


『これでいいんじゃない?』

『けっこう空欄があるわね……』

「そうですね……」


空欄が多いけど、書けないのだからしかたがない。

じゃあ、これを海晴に……あ、海晴がどこにいるか知らない。

……どうしようか。

この紙を取りに来てくれないかな……

私がそう考えていると、扉がノックされた。