挨拶をすると、天見様は笑顔で近寄ってくる。

なんだろうと首を傾げると、天見様は今日の夢のことを話し始めた。


『ねえねえ、夢で美霊が、学校に行っていたの!』

『そうなの?』

「学校ですか……」


天見様の話を聞いて、考える。

天見様の術は、何かを見ることができる術。

妖の場所だったり、未来だったり。

いつもは見たい時に見たりするけど、たまに勝手に何かが見えることがある。

でも学校か……家では行かせてくれなかったけど、ここでは行かせてくれるのかな。

いちおう勉強はご先祖様たちに教わっていたから、できるけど。


『学費も出してくれるのかしら?』

『出してくれないなら仕事が多くなりますね……』


そうか、学費を出してくれない可能性もあるのか。

なら行かなくてもいいけど……

そう考えていると、扉がノックされた。