朝、目が覚めると目の前に天見様がいた。

まだ寝ていたので、起こさないよう気を付けながらベットからおりる。

……ベット、すごくふかふかだった。

夢も見ずに、ぐっすり眠れた。


『あら……美霊、もう起きてたのね』

「はい。おはようございます、円力華様」

『おはよう』


クローゼットに入っていた服に着替えていると、後ろから円力華様が話しかけてきた。

まだ眠たそうで、あくびをしている。

さらにその後ろから、守羽(しゅう)様が起きてきた。


『おはようございます、美霊』

「おはようございます、守羽様」


守羽様は結界の術を使うご先祖様で、守ることが得意なご先祖様だ。

私にも敬語で話すのは、生きていた時からの癖だからと言っていた。

ご先祖様に敬語を使われるのは慣れないけれど、癖だというのだから仕方ない。


『ベット、とても柔らかかったわね』

『そうですね、柔らかかったです。あんなベットがあったんですね……』