ご先祖様の力を借りて。

「興味がある小説があるなら、読んでいいぞ」

「……難しそうだと、思っただけ」


私が首をふると、海晴は「そうか」と言って前を向く。

……少しの間、気まずい空気が流れる。

私も海晴の部屋に来てみたかっただけだし、特にやりたいことはない。

これからどうしようか……

悩んでいると、ふと思いつく。

愛摛の友達は、好きな人とキスがしたいと言っていたとメールで聞いた。

キスとは何か聞いてみたら、唇を触れ合わせることらしい。

好きな人としかキスしてはいけないみたいで、友達はキスするために両思いになるぞと気合を入れていた、と愛摛は言っていた。

……私と海晴はいちおう好き同士だし、キスしてもいいのかな。

キスって、どんなものなのだろう。

疑問に思って、聞いてみる。


「……キスって、どんなもの?」

「……キス、か。してみる……か?」

「いいの? してみたい」


私がそう言うと、海晴は顔を少し赤くしながらこちらを向いた。

そのまま顔を近づけてきたので、ワクワクしながら海晴と目を合わせる。

海晴の顔が少し赤い……照れてる?

そんなにキスって、恥ずかしいことなんだ。

不思議に思っていると、海晴は目をそらしながら言った。