ご先祖様の力を借りて。

「好きなところに座ってくれ」

「うん」


頷いて、机の近くの床に座る。

絨毯が敷いてあったので、床はふかふかだった。

ふかふかと絨毯を触っている私に、海晴は話しかける。


「……何もないだろ?」

「うん。でも落ち着く、いい部屋」

「そうか……」


ほっとしたように、海晴は息をつく。

……何もないと思われるのが嫌だったのかな?

別に気にしないけど。

それにしても、絨毯か……

私の部屋にはまだなかったし、今度買いに行こうかな。

そう考えていると、海晴が隣に座った。

距離が近くなったので、少し恥ずかしい。

海晴から視線を逸らすように、部屋を観察する。

……あ、本棚に小説が置いてある。

難しそうな小説だ……

私がじっと本棚を見ていると、海晴が聞いてきた。