ご先祖様の力を借りて。

「すぅ……」


息を吸って、よく狙う。

そして、放つ。

放った矢は、まっすぐ進んでいって結界を貫く。

結界は消し飛び、中の攻撃も消えた様子だ。

それに余波で完全に雨雲が吹き飛び、晴れてしまった。

……思った以上の威力が出た。

しばらく上を見ていると、黒い欠片が降ってくるのが見える。

透空(とあ)様の念力で、欠片を受け止める。

欠片はいつもの大きさよりも大きく、それだけあの妖が強かったことがわかる。

欠片をポケットにしまうと、ゴゴゴ……と地面が揺れ出した。

はっとして、後ろを確認する。

どうやら妖が倒されて、岩の壁が下がって来ているようだ。

私はすぐに海晴に駆け寄り、他の怪我ができていないか確認する。

ついでに他の人も確認するが、怪我はできていないようだった。

私はほっとして、座り込む。

……でも、どうやってこの人たちを運ぼう。

透空様の念力と守羽様の結界と円力華様の身体強化を使っても、運び切れないし……

人を呼ぼうにも、今はスマホを持っていない。

そもそも連絡先を知らない。

……頑張れば運び切れるかな?

私は試しに、海晴を担ぐ。

円力華様の身体強化のおかげか、軽々持つことができた。

でも手が空いてないし、後の人は透空様の念力と守羽様の結界の上に乗せて、運ぼうかな。

そう考えて、透空様の念力で結界の上に乗せていく。

結界も頑丈になっていたのか、全員乗せても壊れることはなかった。

そのまま移動しようとすると、優幻様が話しかけてきた。