ご先祖様の力を借りて。

「……っ」


結界は上まで届かない、何回か作り直しただけでそこまでばれたのか……

さすがは強大な妖の配下だ……でもどうする、結界は三枚までしか作れない。

人数が多いから、上を守るのに二枚使う。

さらに自分を守るのに一枚、攻撃ができない。

でも、待っていても助けが来るわけでもない……速くこの人たちを医務室に運びたいし、なんとかしないと。

私は焦りながら考えるが、何も浮かんでこない。

考えているうちに、妖がまた岩を投げてきた。

岩と結界がぶつかって、岩が弾かれる。

しかし結界も壊れたので、すぐに作り直す。

……三枚も作らないとだから、少しきついかも。

一か八かで飛び込んでみるしか……

でもそうすると、結界で攻撃するしかなくなる。

使えるのは自分を守るのに使っているこの一枚だけ……使うと自分を守れなくなる。

……それでも、やるしかない。

私は覚悟を決めて、手を強く握る。

少しあった震えが、おさまった。

今は岩を作っている途中だから、攻撃が来る可能性も少ないはず……

そう考えて、自分を守る結界を消して妖に向かって走る。

その時、何かがパリンッと割れた音がした気がした。

不思議な万能感が湧いてきて、思わずつぶやく。