ご先祖様の力を借りて。

「グルルゥ……」


……あれが強大な妖の配下?

あの大きさで配下ってことは強大な妖の強さはどれくらいなの?

いや、今はそんなことなんていい。

倒れている人たちを助けないと……

海晴に視線を向けると、手を動かし始める。

えー……人、集める、守る、私?

人を集めるから、私が守ってって言いたいのかな?

とりあえず頷くと、海晴は行動を開始した。

妖にばれないように静かに人に近づいていく。

幸い雨のおかげで妖の視界は狭くなっているらしく、順調に人を運んでいく。

最後の一人を運び終わろうとした時、ようやく妖はこちらに気がついた。


「ガァアアアア!!」


大きく叫んで、岩を投げてきた。

私はとっさに雷で弾いたが、海晴は人を両手で抱えていたので弾けず直撃する。

それでもしっかり、抱えている人には当たらないように庇っていた。


「か、はっ……」

「っ、海晴!」


私は慌てて海晴の元へ駆け寄る。

憑依を守羽様に急いで交代して、結界を作る。

倒れたから心配だったけど……気絶しているだけだったみたいだ。

私は少し安心するが、すぐに結界の向こうにいる妖を警戒する。