ご先祖様の力を借りて。

「すぐに行ける。ちょうど、動きを速くする術の使い方ができた。海晴にも使う」

「頼む、すぐに行くぞ」

「わかった」


海晴に術を使って、すぐに走り出す。

海晴は最初、驚いた様子だったが、すぐに慣れたようにスピードを上げた。

私も置いていかれないように、スピードを上げる。

……さすが、足が速いから慣れるのもはやい。

もう周りを観察し始めているし、少し羨ましい。

そのまましばらく走る。

雨雲を呼んでしまったから視界が悪い……やめておけばよかった。

それに私が呼んだけど、天気が悪いと嫌な予感がする。

こういう予感は大切だ……気をつけないと。

……何か見えてきた?

目を凝らすと、人が倒れていることが見える。

私と海晴は立ち止まって、倒れている人に駆け寄りしゃがみ込む。


「大丈夫か? 救助に来た者だ、他の人はどこにいる?」

「救助……か。他の人は、向こうだ……速く行ってやってくれ」

「了解した」


海晴は倒れている人に返事をして、立ち上がる。

そのまま指を刺された方向に向かって走っていく。

私も警戒しながら、後に続く。

少し走った先には、たくさんの人が倒れていた。

その中心には、私の二倍くらいの大きさの妖が静かに佇んでいた。

私と海晴は妖にばれないように気をつけながら、観察する。