ご先祖様の力を借りて。

海晴についていった先は、とても豪華なお屋敷だった。

一応お金持ちだった天光家の何倍も大きくて、少し驚いてしまった。

中に入ると使用人がいて、海晴の隣に私がいることに驚いた様子だった。

驚いている使用人さんを無視して、海晴は二階に行く。

私もついていき、そのまま海晴について歩いていく。


「この部屋だ、この中に当主がいる。失礼の無いようにしてくれ」

「わかった」


ある扉の前で止まった海晴の言葉にうなずく。

失礼の無いように……黙ってればいいかな?

そう考えている私を置いて、海晴は扉をノックする。


「入れ」

「失礼します」


海晴は返事を聞いて、扉を開けて中に入る。

私も中に入ろうとすると、中には海晴に似ている大人がいた。

……親子? 海晴って当主の息子? それか親戚とか……

私は少し戸惑いながら、中に入る。