翌日。学校であの時のクレーンゲームをやりまくっていた彼女を見つけた。


「あっ」


昼休み、図書室へ行こうとしていた僕の目の前を通った。


「ん?……あ!浩希(ひろき)くんだ!!」


えっ?


どうして彼女が僕の名前を?

考える暇もなく、彼女は胸を張って自己紹介を始めた。


「私は一年五組の桜田(さくらだ)仁奈(にな)ですっ」


随分元気というか明るいというか。


物に例えるなら花みたいな蛍光灯みたいな。


パッと言葉では表せなかったけど、そんな感じ。



「おっ!千晃(ちあき)じゃん。やっほー!」


彼女の友達の、平山さん。


相変わらず髪が超長い。


あれだけ昨日も校内を探し回ったのに、今日は二人とすんなり会えた。



平山さんはこっちに向かって歩いて、いつも通りの無表情を貼りつけたまま立ち止まった。


「あっ、そういえばー!前に内村くんと浩希くんにあげたあの茶色いくま、どうしてるのー?」