平山さんにしか打ち明けていないことに、驚いた。



彼女の障害を知っているのは、彼女の家族と、平山さん、そして僕、だけ……?




「ちょっと君に聞きたいんだけどさ」


これは聞いておこうと思った。


特に理由はないけど。



「うん、なーに?」


「まず一つ目。親友意外の誰にも話さないような秘密を、どうして僕なんかに教えてくれたの?」



これが最大の疑問。



「浩希くんは覚えていないと思うけどさ。私、君と会ったことがあるんだよ」


「え?」


いつの話だろう。



彼女と会ったのは高校でだ。


というか、知ったのはほんの最近の出来事だ。



「小学校の低学年くらいかな」





彼女は、校外学習で、ある美術館に来ていた。


そこで、彼女は茶色だけで描かれた木を見た。



───そう見えていただけで、実際は、葉の部分は鮮やかな緑色だったらしい。