君の瞳に僕の色は映らない

「ねえねえ、しかくしょうがいどこ?」


図書館に入ると知花が言った。


桜田仁奈と平山さんは二階に行ったようだった。



「たぶんあの奥のほうかなあ」


この図書館にはよく来るけど、障害についての本なんて読んだこともない。


僕がいつも読むのは小説だ。


二階には小説しか置いていないはずだから、障害についての本は一階にあるはずだ。




「あ、ここらへんかな」


「みつけた?」


「ちょっと待ってねー」



車椅子っぽいマークは見つけたからここら辺だと思う。


「うーーん、……お、あった!」


「あった!?」


知花は目をキラキラさせてこちらを見ている。


僕が小一のとき、こんな本には全く興味が湧いていなかった。


やっぱり好奇心旺盛なんだな、と思う。



こういう障害の本とかは、何かの発表に向けて、とか周りにそういう人がいるから、とかいう理由でしか使わないと思っていたけど。