君の瞳に僕の色は映らない

「へえー。色が違って見えたり、ってどういうこと?」


知花はテレビに向かって走っていった。


「じゃあ、これが白に見えたりするのっ?」


そう言いながらテレビを指差した。


「うーん、どうだろう」


僕も色覚障害については詳しくない。


「じゃあ……」


知花はどどどどーと家を走って戻ってきたと思ったら、手にくまのぬいぐるみを持っていた。


「このくまちゃんは?くまちゃんは、何色に見えるの?」


「うーん……お兄ちゃんもわかんないから、明日図書館で調べてみる?」


「うんっ!」


この会話の中で、心の奥底で何かが引っかかった気がしたけど特に気にしなかった。



そして僕がどうして、持っているスマホという便利なものを使わないか。


まあ、スマホでぱぱっと調べて教えてあげたほうが楽だし早い。


でもそうしないのは単純に、本で自分で探したほうが記憶に残りやすいし、いろいろとよさそうだから。



大きくなったら使わせてもいいとは思うけど。


本好きになってくれたら嬉しいと思う。