噂のイケメン探し

走って来たのだろう。



「イケメンがいるんよ!朱愛も来てみ!」


そう言って紗理奈は、机の中からなにか持って、走っていった。



行きたい気持ちはやまやまだけど、まだおにぎりがあと二口分くらい残っている。


「これ食べたら行く!」


この声が届いていたかどうかはわからないけど。



あたしは、一生懸命口におにぎりを詰め込み、はるちゃんと彩雪に「行ってくる」と告げて教室をでた。







すごい人混みだ。


特に女子の。



────もしかして。


あの、噂のイケメンがいるのかもしれない。


あたしがこの学校に入学した、最大の理由である。





あたしは、人混みの中心部に向かって進んだ。



もっと中心部に行こうとしたけど、どうやら押し合いになっているみたいだ。


いろんなところからどいて、とか邪魔、とか、言葉が聞こえてくる。


その中に行くのはさすがに嫌だったから、今いる場所に待機していることにした。