噂のイケメン探し

筆箱を取って美術室を出た。


一旦、呼吸が落ち着くまで歩いて、また走り出した。


降りる階段が見えてきた。


階段を、一歩、二歩、三歩までは順調だったものの。


四歩めで足を滑らせ、五歩めは足がつけなくなった。


そして、階段から転がり落ちることを覚悟したあたしの目に、人影が映った。


そして、考える暇もなく、コロコロ転がり落ちた。


どういう落ち方だったのか。


頭が下で、足が階段の段のところにおかれていた。


つまり、足が上で頭が下にある状態ってこと。


まあこんな落ち方して体が痛くないわけもなく。


前に人がいる。


足元しか見えないけど、靴の模様の色は青だからあたしと同じ学年。

黒い長ズボンを履いてるからたぶん男子……。



「えっと……どした?」


頭上から困惑した声が降ってきた。


あたしは寝っ転がったまま踊り場に行って立ち上がった。